20年前、私は東京都江東区豊洲のマンションで管理組合長を務めていた。

あのとき、外国人住民への情報伝達に、何度も壁にぶつかった。ゴミ出しのルール、防災訓練の案内——伝えようとしても、届かない。言葉の問題だけではなかった。仕組みが、そもそも「全員に届く」設計になっていなかった。

あれから20年。今は新宿区に住んでいる。在留外国人は412万人を超えた。状況は、変わっていない。むしろ、大きくなっている。


「受け入れよう」でも「排除しよう」でもなく

「外国人が増えて不安だ」という声を、今もよく耳にする。その不安の正体は何か、と考えてきた。

多くの場合、それは「情報の空白」だ。相手のことが分からないから怖い。何を考えているか分からないから不安になる。

関東大震災のとき、情報が遮断された結果、何が起きたか——歴史は答えを知っている。

「外国人を受け入れよう」でも「排除しよう」でもない。明日も明後日も、この街にはさまざまな人が暮らし続ける。その現実の中で、「全員に情報が届く地域」をどう作るか——それが問いだ。

情報格差は、外国人だけの問題ではない。高齢者、障害者、子ども、就職氷河期世代、行政の難しい言葉が届かない人——「参加できない人」を起点に考えると、課題の輪郭が見えてくる。


テクノロジーは道具だ

私はコンサルティングファームで20年間、企業の変革を支援してきた。AIとテクノロジーの可能性を、仕事の中で実感してきた。

これらは目的ではなく、道具だ。課題を解決するために使う。使わせられない。

防災情報を多言語・動画で届ける。選挙の情報をわかりやすく伝える。教師がAIと正しく付き合えるよう支援する。地域の情報を、住民全員に平等に届ける。一人でも、自分の力で仕事を作れるよう支援する。

テクノロジーを使えば、これらは実現できる。


一人で始めて、仲間を増やす

「アップグレード・ジャパン」は、2026年6月に設立した任意団体だ。今はまだ、私一人で動いている。

実績を作り、信頼を積み、仲間を増やす。そして、社会を変える。

大きな声でスローガンを叫ぶより、小さくてもいいから動いているプロダクトを作る。議論より実行。「完璧な計画」より「動いている仕組み」を重視する。

それが、アップグレード・ジャパンの出発点。

浅見純一郎

アップグレード・ジャパン 代表
2026年6月

浅見純一郎について

キャリア

コンサルティングファームで20年以上、企業の変革・DXを支援。AI・テクノロジーの実装に知見を持つ。

地域活動

江東区豊洲でマンション管理組合長・自治会長を経験。現在は東京都新宿区在住。

関係組織

ArthurBrief株式会社・イノベーティブジャパン株式会社の代表。アップグレード・ジャパンを社会貢献活動の柱として設立。